工事資金は長期計画で確保
 マンションのリフレッシュ工事にはいろいろな種類の工事があります。そしてなんらかの工事を実施しようとするときには、どのような工事をどのようにすべきかということを検討しなければなりません。
 そして、さらに大切なことは、そういった工事をするための資金が準備できるかどうかという点です。

一時金は徴収がたいへん
 阪神大震災では、多くのマンションが、多額の一時金徴収をして補修工事を実施しました。しかし、一時金を集めるということは非常に大変なことです。災害を受けた時は、なんとかしなければ、という一念で一時金集めに奔走された管理組合も、その大変さに、もう二度と一時金徴収はしたくないと思っておられることでしょう。どのマンションも一時金をあてにしない修繕積立金計画が大切です。
 ところが、この修繕積立金が十分に集められていないマンションがまだまだたくさんあるようです。新築マンションの中には、積立金の月額が数百円というところもありますがこれではまったく用をなしません。

積立金の基準
 特にこうしなければならないという基準はないのですが、住宅金融公庫の『優良中古マンション融資』制度では、融資条件のひとつで、その最低基準を決めています。
 その基準では、建築後17年以上経ったマンションでは、積立金の平均月額が1万円以上であることが条件になっています。
 しかし、これは、毎月の積立金が必ずしも1万円以上でないといけないということではありません。
 積立金会計の収入に、駐車場料金や専用使用料があれば、それも加えて、年間収入合計額を戸数と12ヶ月で割った額が1万円以上であるということです。この計算でいくと、年間積立金額は1住戸あたり最低12万円必要ということになります。
 しかし、最低額はともかくとして、実際にいくらかかるかの見当をつけて収入計画をたてるのがより良い方法といえるでしょう。それには長期計画を作成する必要があります。
 どの時点でどのような工事をするかを設定し、その工事を可能にするための収入計画を練ってみましょう。いろいろな要素を検討しなければなりませんが、要は、おおよその積立金月額の今後の見通しを見極めることが大切です。
 
 

広報活動と資料保管の大切さ
 みなさんのマンションでは、管理組合の活動をどのように広報していますか?
理事会や委員会で話題になったり検討していることを、折りにふれて区分所有者の皆さんにお知らせしましょう。特に、大きな工事を計画しているときや、長期計画を作成しているとき、また管理費や積立金の増額を検討しているときなどは、いきなり総会の議案書でその内容を知らせるのではなく、前もって、何度か、広報でお知らせしていく方が親切といえるでしょう。

広報づくりのコツ
 広報は、繰り返し、繰り返し、同じ体裁で配布し続けることが肝心です。
一度にあまりたくさん書きすぎないように、そして専門用語をあまり使わないようにしてできるだけわかりやすい表現で、とにかく読んでもらうことを念頭においてつくりましょう。 文字だけではなく、イラストや表・グラフなども取り入れると効果があります。また、コピー用紙も、色のついた用紙を使うという手もあります。 
 回覧板を回しているマンションもあるようですが、ぜひとも、全戸配布を実現しましょう。家族全員に目を通してもらいたいですし、できれば保存しておいてもらいたいという内容もあると思います。そのためには、管理組合でコピー機が必要です。単に広報のみならず、理事会や委員会の議事録をつくったり、検討資料をコピーしたりと、管理組合にとってコピー機は必需品です。
資料保管のコツ
 いろいろな資料をコピーする時に、ちょっとしたことですが、必要数に1部加えてコピーしましょう。その1部は、各理事や委員に渡さないで、管理組合の保管用としてファイルします。
 例えば『○年度管理組合資料』というファイルを作り、必ずすべての資料を、そのファイルにとじるようにします。管理組合は「年度がわりの引き継ぎ」がうまくいかないことがありますが、そんな時でも、このようなファイルがあれば、何年たっても、いろいろな経過を読み取ることが容易になることでしょう。
 コツは、ただファイルするだけでなく、時間系列でまとめておくこと。あとで調べる時に探しやすくなります。
 広報は、管理組合の動きがより多くの人達にわかるようにすることがねらいです。
 また、資料保管は、管理組合の動きが継続的に理解できるようにすることがねらいです。いずれにしても、担当理事が交代したとたんに、ゼロからの出発にならないようにするためのてだてです。ぜひともいろいろと工夫してみてください。
 


 
Q1.管理費と積立金はどう違うの?
Q2.積立金の適正額は?また値上げをするにはどうしたら?
 
Q1 管理費と積立金はどう違うの?

A1

 管理費は、いってみれば共益費のようなものですから、共用部分の水光熱費や管理会社への支払い、また清掃費やエレベーターの管理費などに使われるお金を確保するためのものです。これらの費用は、前年度のうちに見積をとっておいて、必要額を予算化しておけば、新年度中に大きな費用が特別に発生するものではありません。
 一方、積立金は、計画工事をこなすために必要な金額を、計画的に集めるためのものです。このように、管理費と積立金は、支出目的が異なっているので、それぞれの値上げはそれぞれの会計を検討することによって決まってきます。
 管理費の値上げは、社会的な物価上昇が主な理由になりますが、積立金の値上げは、長期計画に挙げられている工事をこなすために計画的に資金を準備するためです。
 それぞれの会計の目的が異なるので、これらを混同しないことが大切です。管理組合によっては、とにかくまとめて集めておいて、その年度の管理費支出が確定してから残りを積立金にまわすという方法をとっているところがありますが、これでは、長期計画の収入見通しがたちません。また、管理費会計のなかでいろいろな修繕工事を実施している管理組合もありますが、これも管理費会計の見通しがたてにくいので、計画工事は積立金会計の支出として計画される方が良いでしょう。

Q2 積立金の適正額は?また値上げをするにはどうしたら?

A2

 積立金は、そもそも必要な工事を実施するために備える会計ですから、そのマンションの置かれた状況によって収入計画もことなってきます。ぜひとも、長期計画を作成して積立金の適正月額を計算してみてください。
 その際に、長期計画をあまり固定化して考えないで、5年ごとに見直すなど柔軟に対処することが大切です。建築工事費の毎年の上昇率や駐車場からの収入源の見直しなどその時々の状況に応じた対応が求められます。
 積立金の値上げについては、管理組合規約にのっていると思いますが、ほとんどのマンションでは管理組合総会で決議をして月額を改定しています。
 また、月額の決め方も一般的には「持ち分割合に応じて負担する」ようになっていることが多いようです。その場合は、新しい改定月額が持ち分比に応じた額になるようにしましょう。
 3月決算の場合ですと、通例総会は5月頃に開催されます。したがって、値上げ決議は、『新年度からの値上げ』とするよりも、たとえば『新年度の7月分から』と決めておく方が問題が少ないでしょう。総会がおわったあと、値上がりが決まったことを周知徹底する時間が必要だからです。また、年度替わりから総会までの間に売買があった場合も問題の発生が少なくなると思われます。
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